新型コロナウイルスの影響で、人の時間の使い方が変化しています。人の命には限りがありますので、私は時間の使い方は命の使い方そのものであり、人生はその投じた時間以上のものは返ってこないことを、これまでの人生の中で理解しています。
従って、この自粛期間中の時間をどう使うのかが、未来の人生に大きく影響すると思います。では何に時間を投じるべきか。それを考えるため、緊急度×重要度のマトリクスに当てはめ、ビフォーコロナ時代と現在の自粛期間の時間の使い方・流れ方を比較し、整理してみました。
【ビフォーコロナ時代】
・「①緊急かつ重要な仕事」又は「②緊急だけど重要でない仕事」といった、やらなくてはならない仕事に忙殺されていた。
・一方、未来を創るために大切な「③緊急ではないけど重要な仕事」に十分な時間を投じることができていなかった。
【自粛期間】
・人の行動が制限され、緊急性のある仕事がなくなった。(一部の人には最前線でビフォーコロナ時代以上に働いて頂いていますが・・・。)
・「③緊急ではないけど重要な仕事」ができる時間が十分にできた。
上記の整理の通り、この自粛期間中にすべきことは「③緊急ではないけど重要な仕事」だと思います。しかし、次なる問題は、では具体的にそれはどんな仕事なのかがわからないということです。そこで、先人の時間の使い方にヒントを求めました。吉田松陰は、萩の野山獄で過ごした在獄1年2カ月ほどの期間で618冊の本を読んだそうです。西郷隆盛は、沖永良部島に流された時、800冊の本を持っていき、2、3畳の吹きさらしの獄の中で、ひたすら読書をし、心魂を練ったと伝わっています。
自粛期間は獄中生活ではありませんが、自由に移動して人と会うことができない点は類似しています。私は偉大な先輩にならい、「③緊急ではないけど重要な仕事」を良い本を読むこととし、自粛期間を読書傾倒期間!!に定めました。目的はアフターコロナ時代の事業実践者として相応しい人格を練り上げることです。目標は1年間に183冊(2日に1冊)の本を読むことです。
学生時代を思い返すと、読書の大切をたくさんの先生方が教えてくれていましたが、私の心には全く届きませんでした。それは先生方が悪いのではなく、私に志がなかったからです。志ある人はその頃から良い本に学んでいたのだと思います。人間はどれだけ早く志を持てるかが大事だと37歳にしてようやく悟ることができました。今からできることを続けてまいります。