おかげさまで、日々様々なご相談を頂いております。
この1週間では、幹部社員の育成システム、トラブルにならない雇用契約書の見直し、コロナ禍の状況に合わせたシフト体制の検討、社内におけるテレワークを推進するための準備、助成金を活用した職場環境改善等のご相談を頂きました。
社労士という資格を生かした仕事の仕方は様々ありますが、当事務所がお客様に求められている業務の最たるものの1つが「相談業務」になっています。そこで、お客様のお役に立てる相談対応ができるよう、最近では相談内容を分析しています。その結果、当然ですが、相談として寄せられるほとんどのケースは、労基法等の法令の知識・情報を「知っている」というレベルではお役に立てないことがわかりました。
なぜなら、その程度の情報はネットで簡単に入手することができます。従って、ほとんどの相談は、基礎知識を確認した上で、じゃあ現場で起きている課題に対して、いかに向き合っていくのかというのがポイントになります。
このような相談に対応するためには、知識として「知っている」というレベルでは足りず、実践を通して体得した「分かる」という知恵のレベルにまで引き上げる必要性を感じています。では、どうしたら「分かる」というレベルにまで引き上げることができるのか。それはいたってシンプルで、「知っている」という知識が本当に正しいかどうかを実践し、自分なりの理解を深めることだと考えています。
少年時代のサッカーで例えると、よくコーチからボールの蹴り方やドリブルの仕方を教わりました。しかし、ミーティングで教わって頭で理解するのと、実際にグランドでやってみるのは全く別物でした。そして、実際に試合で役に立つのは「知っていること」ではなく、「分かること・できること」です。経営や仕事も同様です。
もう1つ「分かる」の長所を付け加えますと、このレベルにまで到達すると、他の物事に応用することが可能になるように思います。
例えばAの仕事でこのようなやり方をして成功をした。では、このやり方を少しカスタマイズして応用してみたら、Bの仕事も上手くいくのでははないか、という発想が生まれてきます。つまり、人は「分かること」が増えることで、よりクリエイティブになれると信じています。
上記の整理から、当事務所では相談業務を通してお客様のお役に立つために、「知っていること」こと以上に「分かること」を増やす努力をしています。