社会保険制度の概要〜社会保険労務士事務所が分かりやすく解説〜

投稿日:2023.07.16

社労士オフィスろーどの川名です。
今回は「社会保険制度の概要」について紹介させていただきます。

社会保険制度とは?

社会保険制度は社会保障制度の1つ

日本の社会保障制度の4つの中に、「社会保険」という制度があります。

厚生労働省HPより
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21479.html

社会保険制度の概要

私たちは「社会保険」という言葉をよく使いますが、「社会保険」には、広義と狭義の2つの定義があります。

広義の社会保険とは、以下の図の通り、5つの保険(①医療保険、②介護保険、③年金、④労災保険、⑤雇用保険)全てを指しています。

一方、狭義の社会保険とは、以下の図の通り、①医療保険、②介護保険、③年金の3つを指します。そして、④労災保険と⑤雇用保険の2つをまとめて「労働保険」と言います。
労務管理の現場では、社会保険と言うと、労働保険とは分離して、狭義の社会保険を指すことが多いです。

5つの保険を紹介

①医療保険

病気や怪我をした場合に誰もが安心して医療を受けることができる制度です。
国民は以下4つのいずれかの医療保険に加入することが義務付けられています。

1.会社員またはその扶養家族が加入する「健康保険制度」
2. 公務員またはその扶養家族が加入する「共済組合」
3.自営業の方などが加入する「国民健康保険制度」
4.75歳以上の高齢者が加入する「後期高齢者医療制度」

代表的な保障内容は、病気や怪我をした際に医療機関で自己負担額が1〜3割で診察や治療を受けられる「療養の給付」が挙げられます。

②介護保険

加齢により要支援、要介護状態になった時に備えて保険料を負担し、介護が必要になった際に介護サービスや保険給付を受けることができる制度です。
介護保険制度は、満40歳になると保険料の負担が義務付けられ、要支援・要介護認定をされた場合は以下のようなサービスを受けることができます。
・訪問介護
・通所介護(デイサービス)
・介護老人ホームへの入所   など

③公的年金

日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての方が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員・公務員の方が加入する厚生年金保険の2階建て構造です。会社員・公務員の方は、2つの年金制度に加入します。
加齢、生涯、死亡等の支給事由が発生した時に、年金(老齢、障害、遺族)を受給することができます。

日本年金機構Webサイト参照
https://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/20140710.html

④労災保険(労働者災害補償保険)

労働者が業務中または通勤中に起きた事故で、けが・病気・障害・死亡した場合に必要な保険給付を行う制度です。
労災保険は、正社員だけではなく、賃金が支払われる労働者であれば適用されるため、以下の労働者でも保険給付を受け取ることが出来ます。
・アルバイト
・パートタイマー
・契約社員
・派遣社員 など

⑤雇用保険

労働者の生活や雇用の安定、失業、就職の促進、能力開発などの雇用に関する総合的な機能を有する制度です。
雇用保険は会社員やアルバイト・パート主婦さんなどの会社等に雇われている方が以下の条件を満たすと加入することが出来ます。

・週20時間以上の勤務
・31日以上の雇用見込みがあること

また、雇用保険は以下のような給付を受ける事が出来ます。
・求職者給付
・育児休業給付
・教育訓練給付  など

今回は「社会保険制度の概要」を紹介させていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
川名 天翔

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