教えて!「年末調整」の仕組み!~社会保険労務士事務所が分かりやすく解説~

投稿日:2024.11.24

社労士オフィスろーどの川名です。
今回は毎年年末に行う「年末調整」について説明させていただきます。

1.年末調整とは?

年末調整とは、主に会社員の方の1年の正しい所得税を計算し、毎月の給与や賞与から引かれていた所得税の過不足を精算する手続きです。
毎月の給与や賞与から引かれている所得税は、あくまで概算であり、一年間の総所得が決まる年末に正しい所得税が決まり、多く払い過ぎている場合は「還付」、足りない場合には「徴収」されます。

年末調整のスケジュールは、以下の通りです。

出典:国税庁HP「令和6年分年末調整についてのお知らせ」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/pdf/02.pdf

・年末調整と確定申告の違い

年末調整とは別に、「確定申告」という言葉もよく耳にすると思います。
年末調整と確定申告の違いは、年末調整は主に「会社員」、確定申告は主に「自営業・フリーランス」が対象になるという点です。
また、確定申告の時期は年末ではなく、毎年2月16日から3月15日までに申告をします。
どちらも正しい所得税を納めることが目的の手続きになります。

・年末調整の対象になる人・ならない人

<対象になる人>
年末調整の対象となるのは、会社勤めで所得税の控除があり、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を会社に提出している人です。
年の途中で入社した場合や、正社員・パートなどの働き方が違っていても年末調整の対象となります。
なお、年の途中で転職した人は、前職の源泉徴収票が必要となりますので、前職の会社からもらい忘れないよう注意が必要です。

<対象にならない人>
基本的には自営業やフリーランスが確定申告を行いますが、以下の条件に当てはまる場合は、会社員であっても年末調整の対象とはなりません。
・給与所得が2000万円を超える場合
・副業などで2カ所以上から給与の支払いを受けている場合
・継続して同一の雇用主に雇用されない人(日雇い労働者など)等

2.年末調整で会社員が行うこと

・会社から配布される申告書に記入をし、提出する。

年末調整を行うために以下の書類を会社から配布されますので、期日までに提出をします。

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
※給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 兼 (特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書(※該当する従業員のみ)

実際の申告書や記載例などは以下リンクからご確認ください。

出典:国税庁HP「各種申告書・記載例」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/shinkokusyo/index.htm

・所得税の控除項目をしっかりと確認をしてから提出しましょう!

上記の申告書を提出し、条件を満たすことによって、以下のような控除を受けることができます。
控除を受けることができれば、納める所得税額を減らすことができますので、しっかりと内容を確認することが必要です。

終わりに

当社では、会社様の代わりに年末調整業務を代行しております。社内全体で年末調整に関する知識の学習や調査、Web上で申告書の提出・管理ができるシステム「eNEN」の導入など、業務効率を良くするためにDX化の推進を積極的に行っております。
これからもお客様のご要望にお応えできるよう、日々精進してまいります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

川名 天翔

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