ナンバーワンよりオンリーワン?

投稿日:2019.08.04

「ナンバーワンとオンリーワンあなたはどちらが大切だと思いますか?」
この質問は最初に入社した会社の採用面接で訊かれた質問です。約15年前の私の応えは最後に記すとして、皆さんならどんな応えをされますか?

心理学を継続的に学んでいます。その中でよく話題にでるのが自己肯定感を高めることが大事だという考え方です。自己肯定感とは、「良いところも悪いところも含めて、ありのままの自分を受け入れる気持ち」であると私は解釈しています。この自己肯定感が低い状態だと人は冷静に物事を考えられなくなってしまうと言われています。

平成26年の調査において、日本人の若者(13歳~29歳)と他国の若者とを比較し、自己肯定感がかなり低いという結果が出ました。具体的に述べると、「あなたは自分自身に満足していますか?」という問いに対して日本人は約45%が満足していると答えているのに対して、欧米諸国は約80%を誇っていました。
この原因の一つを他人と競い合うことであると捉え、学校を中心に競い合うこと、評価することをなるべく避けて、一人ひとりの個性を認める取組が増えてきているように思います。「ナンバーワンよりオンリーワンが大切だよ」という流れになっています。

しかし、これだけで自己肯定感を高め、人が邁進し続けられるかというと、私は強い疑問を感じています。なぜなら、人は一人では成長できないと考えるからです。スポーツで例えるならば、一人グランドでサッカーボールを蹴って練習するより、仲間と練習したほうがはるかに成長します。その理由は、他者と共に練習することで自分を理解することができるからです。自分の下手さを理解し、「負けてたまるか!」という気持ちが生まれる。この「負けたまるか!」という気持ちこそが、人が成長する原動力であり、自己肯定感を支える要であると考えます。

私には学生時代に共にサッカーに打ち込んだ仲間がいます。彼らはいつも前向きです。会うたびに気持ちの良い力をもらいます。きっと、みんな自己肯定感が高いのだと思います。しかし、学生時代を振り返ると、決して仲が良かったわけではなく、ぶつかりあいや喧嘩、競い合いばかりいました。競い合う仲間がいたおかげで、サッカーが下手な自分、メンタルの弱い自分と真剣に向き合うことができました。そして段々と他人の物差しではなく、自分の物差しで価値を測る大切さにも気がつくことができました。

従って、私は人間の成長には、まずは他者と競い合うことが大切だと思います。それがあるからこそ、自分と他人の違いを理解し、ありのままの自分を知ることができるのだと思います。くどいようですが、自分一人では、一生かかってもありのままの自分を理解することなど絶対にできないと考えます。

冒頭の質問に対する15年前の私の応えです。
「ナンバーワンを目指すことで、人はオンリーワンと成っていきます。」

ナンバーワンとオンリーワンをかけ離れている対極の存在ではなく、繋がっているものとして捉えて応えたのを記憶しています。今もその考えには変わりはありません。

本日は仕事の合間に海抜0メートルからの富士登山に挑んでいる小学生を応援に行ってきました。素直に挑戦する子どもの姿勢から刺激をもらいました!

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